しかし、もし心のうちに堅く決意しており、
ほかに強いられる事情もなく、
また自分の思うとおりに行なうことのできる人が、
処女である自分の娘をそのままにしておくのなら、
そのことはりっぱです。
(第一コリント7:37)
緊急事態化にあっては、結婚しない方がよいとは思うが、
結婚させたからと言って、罪を犯すわけではないので、
それはそれでよいとしたパウロでした(~36)。
他方、やはり、結婚させないままでいることへの高い評価は変わりません。
3つの条件付きで、パウロは、緊急時における独身を「りっぱ」と評します。
第一に、親が「心のうちに固く決意して」いること。娘が独身でいることを、
親が主の前に確信を持っている状態であること。
第二に「ほかに強いられる事情」がないこと。例えば結婚誓約書のような拘束力の
あるものがない状態であること。
第三に親が「自分の思うとおりに行うことのできる人」であること。
例えば親が奴隷であれば、しばしば、自分の娘を思い通りにすることはできませんでした。
この3つの条件を満たす人が、娘を独身のままで置いておくのなら、
それは良いことですし、むしろ、りっぱなことだとパウロは言うのです。
大事なことを決断する時には、
自分自身の確信や願いに加え、客観的な条件も吟味して、決断する必要があります。
パウロのように、条件を言葉や文字にしていくことで、考えが整理され、
良い決断を下し、またその決断に確信を持つことができるでしょう。