さて、あなたがたの手紙に書いてあったことについてですが、
男が女に触れないのは良いことです。
(第一コリント7:1)
7章に入り、テーマは、不品行の問題から、正しい結婚に変わります。
コリント教会の中に、結婚に関する問題がありました。
異教世界においては、しばしば性や結婚が歪められ、
独身主義、禁欲主義が礼賛されがちです(仏教やローマ・カトリック教など)。
ギリシャ哲学も同様で、多くの有名な哲学者は独身で同性愛者でしたから、
その影響を受けたコリント教会の中には、
独身こそ高尚な信心深い生き方ではないかという人がいました。
この問題をパウロは7章で扱っていきます。
まずパウロは、彼らの考え方を全面的に否定はしません。
「男が女に触れないことは良いことです」と言っています。
これは、接触のことを言っているのではなく、結婚のことを言っているのです。
結婚しないのは特に悪いことではない、という意味です。
独身には独身の良さがあります。
7:32~34にあるように、独身の男女は、配偶者に気遣う必要がないので、
思う存分、主のことに心を配ることができます。
独身と結婚、どちらが優れているというような問題ではなく、
ある人は独身の信仰者として、ある人は結婚へと召されています。
主は、一人一人に一番良い道を与えているのです。