私は賢い人たちに話すように話します。
ですから私の言うことを判断してください。
(第一コリント 10:15)
前節で「偶像礼拝を避けなさい」とパウロは言いました。
数ある罪の中でも、偶像礼拝を特に挙げたのは、
「偶像にささげた肉を食べてもよいか」という課題に入るためでした。
具体的には次節から論じていきますが、
その前にパウロは、
「これから私は賢い人たちに話すように話しますから、
私が言うことを、よくよくご自身で判別して理解してください」
と前置きします。
というのも、コリントのクリスチャンたちは、
自分たちはギリシャ哲学のもとで育ったのであり、
知恵があり賢いと自分で言っていたからです。
そのように自負されているのなら、これから伝えることは、
くどくど言わなくても、よくお分かりになるでしょうから、
ご自身でしっかり理解してください、とパウロは言うのです。
もちろん、パウロは彼らの自負をほめているのではなく、問題視しています。
事実、この後のパウロの語調は、厳しめです。
パウロは、調子に乗っている子供に正面から向き合う親のように、
コリント教会のクリスチャンたちに向き合っています。
愛があるからこそ罪には厳しく対峙するパウロなのでした。