あなたがたの間に不品行があるということが言われています。
しかもそれは、異邦人の中にもないほどの不品行で、
父の妻を妻にしている者がいるとのことです。
(第一コリント5:1)
5章、6章では、コリント教会の道徳的放縦が扱われています。
最初は性的罪。
ギリシャ神話や哲学の影響で、ギリシャの性道徳は、もともと乱れていました。
多くのクリスチャンは、信仰を持ってからは、それを改めました。
ところが、コリントのクリスチャンは、自分たちは知者だとうぬぼれており、
道徳の面でも、ギリシャ哲学を基準としましたので、
クリスチャンらしからぬ乱れた生活をしていました。
実際、教会内に信じがたい「不品行」があったのです。
中でもひどかったのは、「父の妻を妻にする」という罪でした。
「父の妻」とは母親のことではなく、父親の再婚者である義母のことです。
このような罪は「異邦人の中にもないほどの不品行」でした。
このような罪は、聖書はもちろん(レビ18:8、20:11など)、
ローマ法でも禁じられていたことでした。
しかし、自分を知恵ある者とし、神の知恵に従わないコリント教会は、
この世の基準から見てもひどい不道徳な状態に転落しました。
聖書を軽んじれば、こうした惨状に至ります。
そうならないためにも、いつも聖書を読み、
その倫理基準を忘れぬようにしておくことが、肝要です。