あなたがたは、もう満ち足りています。もう豊かになっています。私たち抜きで、王様になっています。いっそのこと、あなたがたがほんとうに王様になっていたらよかったのです。そうすれば、私たちも、あなたがたといっしょに王になれたでしょうに。
(第一コリント4:8)
自分の考えを正しいとし、一線を越えて神の働き人を批評し、
教会に分裂をもたらしていたコリントのクリスチャンたち。
そんな彼らを、パウロは「王様」のようだと、きつく皮肉ります。
彼らは、「満ち足りて」「豊か」です。
それは、本来のクリスチャンの姿ではありません。
主イエスは、「心の貧しい人は幸いです」(マタイ5:3)と言われました。
この世の知恵や教えや地位や富やモノで満足できない人、
神様との交わりなしには満たされない人こそ幸いなのです。
しかし、コリントの人たちは、神抜きに、神の立てた指導者抜きに、
自分たちはやれる、大丈夫だと、高ぶっていました。
彼らは、危険なことに、神から自立しつつあったのです。
「私たち抜きで」とあるように、神が立てた指導者たちなど必要ないほど自分たちはすぐれている、と高ぶっていたコリントのクリスチャン達。
それなら望みどおり王になればよい、とパウロは言います。
「いっそのこと、あなたがたがほんとうに王様になっていたらよかったの「そうすれば、私たちも、あなたがたといっしょに王になれたでしょうに」とは皮肉です。
パウロの語り口が非常に辛口なのは、
コリントの人たちの問題は深刻さと、
彼らを何とかしなければという、パウロの愛ゆえでありましょう。